学校精神保健の基本プログラム開発のためのワークショップ

学校精神保健の基本プログラム開発のためのワークショップ

報告日時:2020年1月31日
報告者:西尾彰泰(岐阜大学保健管理センター)

報告者らは、東南アジア諸国で用いることができる学校精神保健の基本プログラムを開発するための第一段階として、東南アジア教育大臣機構と共同でワークショップを開催した。
ワークショップは、タイのバンコクにおいて、2019年3月6,7日に行われ、ASEAN諸国から担当者が集まり、各国の学校精神保健の現状を報告し、それを元にASEAN諸国で採用されるべき、学校精神保健のミニマムスタンダードについて討論を行った。そこで報告された各国の現状を、①学校精神保健に関する法律・法令、②学校における精神保健サービス、③メンタルヘルスに関する教員の研修、④生徒向けのメンタルヘルス教育の4つの観点から分析を行い、その結果を「Current situation and comparison of school mental health in ASEAN countries」として執筆し、学会誌に掲載された。
また、ワークショップでは、学校精神保健のミニマムスタンダードとして、①生徒のメンタルヘルス教育(教員のトレーニングも兼ねる)、②地域のメンタルヘルスリソースと、学校の連携システムの構築、③子供のメンタルヘルスを評価する簡便なツールが必要であることが確認された。そこで、①を実現するために、小学生・中学生・高校生向けに、それぞれメンタルヘルス教育の教材を作成し、フィリピンの教育省と連携して、2019年9月より、フィリピンのパンパンガ州において、実際に現地の教員に使用してもらった。12月3,4日にフィードバックセッションを行い、教員からコメントをもらい、より使用しやすい教材へと改訂した。そして、改訂された教材をフィリピンの教育省へ提供した。今後は、フィリピン国内での認可プロセスを経て、2021年の夏頃には、フィリピン政府公認の教材として出版される予定となっている。