橋本イニシアティブ

橋本イニシアティブ

HASHIMOTO INITIATIVE
橋本イニシアティブによる地球規模の学校保健

1998年、橋本首相(当時)がバーミンガム(イギリス)のG8サミットにて、橋本首相(当時)が中心となりG8各国が世界の寄生虫対策に取り組む必要性を宣言(橋本イニチアティブ)しました。その後、タイ、ケニア、ガーナに国際寄生虫対策センターがJICAの支援のもと設立され、寄生虫対策だけでなくその基盤となる学校保健の国際的普及に貢献。JICA支援終了後もJC-GSHRは本イニシアチブを継承し日本のフォーカルポイントとして活動を展開しています。

HISTORY
寄生虫対策センター設立の経緯と背景

1997年、橋本首相(当時)がデンバー(アメリカ)のG7サミットで国際寄生虫対策イニシアチブを提唱し、翌1998年、バーミンガム(イギリス)のG8サミットにて、橋本首相(当時)が中心となりG8各国が世界の寄生虫対策に取り組む必要性を宣言(橋本イニチアティブ)しました。

アジア、アフリカを中心とした開発途上国では、現在もなお、多くの人がマラリアや住血吸虫などの寄生虫、細菌感染症に慢性的に感染しており、死亡数は多くないものの人間の生活の質に大きく影響。世界的には熱帯地域、貧困層を中心に10億人以上がなんらかの寄生虫、細菌感染症に罹患していると推定され、中でも学童期の子供たちが最も多くの寄生虫に感染しています。更に、世界のグローバル化に伴い、感染症・寄生虫の問題は、単なる保健上の問題にとどまらず経済社会開発上の重大な阻害要因と認識されており、貧困削減の中心的課題の一つとなっています。

橋本イニシアチブを受け、開発途上国における寄生虫対策の人材育成、人材及び情報ネットワーク強化のため、日本政府推進のもとアジア・アフリカに人材育成と研究開発のための拠点として以下の3つの寄生虫対策センター拠点( CIPACs: Centers for International Parasite Control)が設立されました。

寄生虫対策センター拠点(CIPACs)

ACIPAC

2001年 国際寄生虫対策アジアセンター(ACIPAC)をタイマヒドン大学医学部に設立
参加国:カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ヴェトナム

ESACIPAC

2001年 国際際寄生虫対策東南アフリカセンター(ESACIPAC)をケニア中央医学研究所(Kenya Medical Research Institute: KEMRI)に設立
参加国:ケニア、スーダン、タンザニア、マラウィ、スワジランド、ルワンダ

WACIPAC

2004年 国際寄生虫対策西アフリカセンター(WACIPAC)をガーナ、野口記念医学研究所及びガーナ大学に設立
参加国:ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボアール、ガーナ、マリ、ニジェール、ナイジェリア、セネガル、トーゴ

パートナー国の学校保健の政策マネージメントに資する多くの人材を輩出し、2008年にCIPACs (ACIPAC、ESACIPAC、WACIPAC)への支援としてのJICAプロジェクトとしては終了し、それぞれのカウンターパート機関に引き継ぎがれました。終了時には学校保健を基盤とした土壌伝播性寄生虫対策の普及のみならず、各パートナー国の学校保健の基盤を作ったことは大きく評価されています。特に各国の教育省と保健省が、CIPACs の取り組みによって協調を開始し、各国で国策としての学校保健プログラムが開始されるにいたっています。

また橋本イニシアチブは、WHOを中心とした熱帯病対策に関連した機関が、3 大感染症(ATM:エイズ、結核、マラリア)以外の慢性的に流行している17の重要な寄生虫、細菌感染症の疾患を、NTD (Neglected Tropical Diseases);顧みられない熱帯病としてまとめ対策に取り組むこととなり、WHO本部ではエイズ、結核、マラリア部門とならんでNTD部門が発足し2007年4月にはNTD国際会議が開催され、現在もなお、世界レベルでの取り組みが続いています。

 

CURRENT ACTIVITIES
CIPACsの現在

国際学校保健コンソーシャムはイギリス・インペリアルカレッジを基盤とした学校保健の国際シンクタンクであるPCD: Partnership for Child Developmentと連携して、2011年にタイ国マヒドン大学熱帯医学部のACIPACと関連機関と協議を行い、学校保健の新しい課題に対応できる人材育成の必要性を確認。このことにより、2012年から国際学校保健栄養研修が再開され、各国の教育省・保健省・UNやNGOのプログラムマネージャーに対する現任教育を行っています。

本研修は、研修参加者が聴講料を支払うことによって運営されていますが、ACIPACのパートナー国であったメコン圏だけでなく、広く東南アジア・南アジアの中低諸国からの参加者が得られ、研修の価値は広く認識されてきています。開発途上国の学校保健主要課題としての栄養対策は、単に土壌伝播性寄生虫の駆虫(De-worming)プログラムの拡大を図ることから、これらの継続性の確保と幕引きの道筋をたてることや、学校を基盤とした栄養補助(School feeding)や学校給食の展開にシフトしています。さらに過栄養等から起きる生活習慣病やメンタルヘルス等のNon communicable diseases、アルコールやドラッグ対策、暴力・外傷への対応、さらには増え続ける災害対策等、学校保健が対応すべき課題は開発途上国でも多岐にわたってきておりこれに対応した研修を展開しています。

ESACIPAC、WACIPACもアフリカにおける学校保健研修を継続して展開しており、2015年に行われたACIPACがあるタイ・バンコクで行われたWHO学校保健テクニカル会議においてもアフリカのフォーカルポイントとして再認識。国際学校保健コンソーシャムも研修講師の派遣や共同研究の実施に継続的に貢献しています。