スリランカにおける寺の日曜学校を介した地域住民への生活習慣介入研究

スリランカにおける寺の日曜学校を介した地域住民への生活習慣介入研究

スリランカにおける寺の日曜学校を介した地域住民への生活習慣介入研究
 
日程:2018年8月18日(土)~22日(水)
参加者:溝上哲也、福永亜美 (国立国際医療研究センター)
報告者:福永亜美
 
私たち研究グループはスリランカにおける寺の日曜学校を介した地域住民向けの生活習慣介入研究の計画のため、8月18日から5日間、スリランカを訪れました。これまで、私たちは生徒や地域の青少年クラブ員が媒介役となって、親や地域住民の生活習慣を改善するという「子どもから親あるいは地域住民へ」というアプローチで研究を進めてきました。このたび、寺の日曜学校に通う生徒のエンパワーメントを通じて地域住民の生活習慣病予防に取り組むことにしました。
 
私たちが訪れたお寺では毎週日曜日に5歳から15歳の子どもが僧侶や日曜学校の先生から仏教について学んでいます。このお寺では、社会活動の一つとして、健康増進財団(スリランカのNGO)の支援のもと、子どもが健康増進について学び、それを地域住民に伝える取り組みが始まっています。今回の私たちの訪問にあわせ、活動報告を兼ねた歓迎会を開いてくれました。歓迎の挨拶にたった学校の先生である母親は、短期間の取り組みにも関わらず2キロの減量に成功した自身の体験談を交えつつ、こうした予防活動の意義を力説しました。余興として、子どもたちが自作の劇を披露してくれました。スリランカでは近年、麻薬使用者の増加が社会問題になっています。子どもたちはその劇によって、麻薬の恐ろしさを迫真の演技で訴えかけました。
 
現地協力者であるコロンボ大学元教授Samarasinghe氏のお宅を訪問し、WHOスリランカのGunawardena氏、健康増進財団のFernando氏、Indrawansa氏らとともに、研究デザイン(ステップウェッジ・クラスタRCT)を中心に研究計画について話し合いました。
 
JICAスリランカ事務所を訪れ、学校保健研究などの成果や日曜学校における研究計画を説明しました。JICA保健担当者からはスリランカにおける学校保健の動向や生活習慣病に関する日本での研修プログラムについて情報を共有いただきました。その際に紹介いただいたスリランカ保健省生活習慣病対策統括官であるWickaramasubghe博士を訪問最終日に訪ね、私たちのこれまでの取り組みを紹介した上で、新たな研究への支援を要請しました。
 
今回のスリランカ訪問によって、本研究の方向性が明快となり、また研究の発展に繋がる新しいネットワークをつくることができました。日曜学校での研究事業を通して、子どもたちがスリランカにおける生活習慣病の予防に貢献する力を養ってくれることを祈っています。


 
  お寺での集合写真                                                                  ​子供たちによる麻薬のリスクを描写した劇

   
  子供たちが作成した健康な生活を促すポスター        ​Indrawansa氏と溝上部長


  子供たちとの交流